{グレンラガン}ギガドリルブレイカーに見るシモンの成長



兄貴という存在、あるいは依存の対象としての兄貴を失ったシモンには
「あなたは兄貴じゃなくてシモンなのよ」
といってくれる第三者が必要だった。
それは、元からの仲間ではなく、そして自身も深い喪失を経験したニアにしかできないことだった。

今回、兄貴への依存からの独立を果たしたシモンと、自分の生い立ちについて絶望的な事実を知らされたニアの二人による「ギガドリルブレイカー」によって、敵は打ち破られた。

初回の雄雄しき青年シモンへの第一歩を見ることができたわけである。

それとは別に、ラガンの出自への伏線も出てきて、ますます見逃せないグレンラガンである。

モラトリアムとは何か



モラトリアムとは何か。
猶予されているとはどういうことか。


少年少女は、罪を犯しても、その代償を払うことはない。
それゆえに、ただの罪人よりも、罪深い。


父の死で、少女は、罪と向かいあうことになった。
代償を払い、それでも、生きていくことになった。

うぶかたさん絶好調



なんというか、冲方さんが好きそうな話だなぁと思いました。
寓話的で、神話的で、やたらと隠喩があって、やたらと壮大で。


赤ん坊のようなエイジ、マザーコンピュータを「お母さん」と呼ぶあたりとか、
たこのような友人とじゃれあう姿とか、ペイントで遊ぶ姿とか、
純粋で、素直で、原初の人類の持っていた力強さにあふれている。

ヒーローの武器は敵から奪う



題名の通りである。
仮面ライダーしかり、ガンダムしかり。


最初、敵はあまりに強大で、味方は非力である。
その絶対的優位を逆転させるために、ヒーローは敵の武器を奪う。


ラガンとカミナが名付けたガンメンは、貪欲に敵の武器を吸収し、
人間たちの希望、グレンラガンとなった。


それは、人間カミナとシモンがヒーローである証である。

少年は閉鎖社会から旅立つ

今期ナンバーワンの熱さとバカさとちょっとお色気も含めて始まった天元突破グレンラガン

少年は、「地上」が空想上の産物と教え込まれた閉鎖空間で、教えられたまま、横穴をドリルるる毎日を送っていた。

思えば、少年漫画・少年アニメの主人公は、旧態然とした閉鎖空間の中に捕われているものである。
それは、平凡な日常に生きる多くの少年たち(視聴者)の姿でもある。
そして、第1話で閉鎖空間をぶち破って旅立つ。エウレカ・セブンしかり、忘却の旋律しかり。

旅立ちの前段階として「地上」を信じて目指すカミナの兄貴がいて。
旅立ちの天井を割って現れた美女、ヨーコ姉さんが現れて。
天井という漠然とした敵ではない、具体的な敵としてガンメンが現れて。

で、少年は己の見つけた力で、見事にぶちやぶって旅立ったわけである。それも、ドリルで。

こりゃあ面白くなりますぜ。

血塗れのユフィ

ルルーシュは甘い。ユフィの提案に信念を曲げてしまうほどに、甘い悪役である。

だが、歴史は、ギアスという力は、彼をいやおう無く、極悪人に仕立てる。

ユフィのギアスをされた行動は、しかし、ブリタニアが今までしてきたことの象徴でもある。
ブリタニアは、占領した国の人々を蔑み、その上に傲然と立ってきた。

ナンバーズと呼ばれる占領民は、ブリタニアにとってそういう存在なのだ。

ルルーシュはスザクの行った悪以上の悪を、その手で行ってしまった。
それでも進むしかないルルーシュの血塗られた道、その覚悟に涙がこぼれた。