プラネテス

「心のこり」
 
若本先生万歳! ブルアァアアアア!
意味不明の絶叫はさておき、こむづかしく。
 
宇宙に生きる人々を、かなりリアルに描いているわけだが、
その中でも、宇宙線による被爆、そして白血病やガンというのが、
「本来居るべきではない場所に生きる代償」として存在する。
 
白血病か、人ってのはわからんもんだな」
「宇宙に長くいると、こういうこともある」
それを穏やかに受け止めるギガルドさんには、
人生を戦いぬいてきた人間特有の諦観を感じる。
 
いくら健康に一番良いからといって、今更原始人には戻れない。
我々は、それでも前に進むしかないわけだ。
それでも、生きていくしかないわけだ。
 
ギガルドさんは、宇宙の暗闇でそんな悲哀を見たんだろうと思う。
そして、タナベに生きる希望、天使を見たんだろう。
ハチマキや白鳥の由来を考えるに、そういうことだろう。
 
正義とか悪とか語る賢者は、まったく信頼に値しないが、
正義とか悪とか熱く語るバカほど、信頼に足るものはない。