今週の忘却の旋律

第5部 迷宮島


グローバルやまねこ=虎 そして迷宮のモンスター=牛
牛と虎、丑寅、すなわち鬼(鬼門)である。
そして、鬼門の思想母体、陰陽や鬼道において鬼は悪ではない。


牛とは、太古から神の化身であり悪魔の化身であった。
中国古代には、人身牛頭の悪役が登場するし、
旧約聖書のなかには、子牛と神を同一視する記述が有る。
単純に考えて、牛=支配者の象徴だったということだ。


神にして鬼、それはモンスター。
こんなところからも、モンスターを絶対悪としない視点が見えたりする。
もちろん、モンスターを不気味な嫌なモノとする視点ではある。


期待に応えて、期待を超えて、物語の端緒に戻ってくれた。
まさか、ガネッコがまた出てくるとは思わなかった。
バスは出てくるとは思ったが。


サヨコのボッカとクロフネの間で揺れる心が、詩的に表現されていて感心。
網元の無様な言い訳をそっくり真似するボッカのウィットに感心。
エージェントやまねこの「新型が届いていれば」に感心。
扉が閉じる寸前の、届かないサヨコの言葉という描写に、感心。


物書きとして、いろいろと勉強になるアニメである。
そんなのは私だけかもしれない、とも思いつつ。