今週の鉄人28号

「黒部の危機」
 
敷島よ、やはり自分だけで解決しようとしたのだな。
あなたはそう言う人だと思ったし、また、
あなたなら、並の事件はそうやって解決できただろう。
結果として、事件の本質を見誤ったのだろうな。
 
官房長官の言った「抑止力」という言葉。
また「世界を道連れに」という言葉。
冷戦時代を形成したと言われる、強大な暴力の存在。
それが、アメリカ一人勝ちになった今も通用するのか。
当時においても、本当に有効だったのか。
よくよく考えて見る必要があるのではないだろうか。
 
鉄人を擬人化し、自分の分身として捉える考え方に、
私は以前から危うさを感じていたわけだが。
正太郎の鉄人に対する愛着は、金田博士のそれに近いものになった。
そして、鉄人を道具として「使い捨てる」ことに抵抗した。
 
今、救いたい人たちがいて、救える手段がそこにある。
だが、それはまた別の犠牲を強いるものである。
その時に人は、果たしてどう選択するのだろうか。
 
別の解決法は、最後まで探すべきだろう。
だが、一つだけ確実な事は、
「何もしない」
という消極的な態度であっても、責任があると言う事だ。
 
余談だが、今川アニメの傑作と言われる「ジャイアントロボ」において、
ジャイアントロボの動力源は、その世界で封印されている原子力である。
 
ケレンだけではなく、哲学や社会的問題提起もちゃんとしているなぁと。